“佐伯んし”と“一部のラーメンマニア”の間でのみ通用する“佐伯ラーメン”という呼び名……全国にも九州にも“まだまだ知られていない地ラーメン”というのが佐伯ラーメンの現在の位置付けで、“地ラーメン”と名乗る以上、誰もが知ってる定義が必要だと記者は思う。
では、佐伯んしの間では“佐伯ラーメン”の定義は成り立っているのか?佐伯ラーメン=ニンニク(と思っていた;)が成り立たないなら、明確なスタイルは存在しないのではなかろうか。博多とも長浜とも久留米とも違う豚骨スープ。ニンニク(を使っている店)も熊本のような香ばしさは放っちゃいない。この辺から主張していかなければ一歩前には進めないのである。
そんな記者の疑問に答えを出してくれたのが今回ご紹介するラーメン白龍の佐伯荒節(さいきあらぶし)。佐伯荒節はNEO佐伯ラーメンと荒節とんこつを融合させたキメラ味で、店側の説明でも“ジャンクで好き嫌いが分かれます”といった但し書きが成されている。
ただ、バカ売れするやつは大概が“好きか嫌いか”に完璧に分かれ“ふつう”はないから、どれだけ伸びるか先が楽しみだ。
味わいは醤油ダレがかなり主張し塩分が効いている。背脂のギトギトも重厚度に輪をかけ、なるほど白龍デフォルトとはかなり違うイメージだが、最後にカツオ出汁がドスンと襲ってきてヘビーな味にキレを持たせているところは見逃せない、この風味は毎日でもやれる。
もちろんチャーシューの甘ウマさや塩梅の良い味玉も健在で、トッピングに物足りなさは一切感じさせない仕上がり。ホント、白龍のラーメンは完成度高いのだが……。
でっ、この佐伯荒節、というか最近の白龍……麺に使う小麦粉のブレンドを変えている。“オーション”この名前を聞いてすぐにそれと分かる方はちゃんとラーメンマニアしている。オーションが何であるのかはまた別の機会に説明するが、ふつう、ラーメンには使用しない小麦粉(強力粉)とだけは述べておこう。
このオーションをブレンドした中細麺がズビズバ度を高めるだけではなく、甘さというか旨さというか麺自体にコクを持たせている。確かに佐伯ラーメン特有のベチョドロ・中太緩(ゆる)な醍醐味は味わえないが、蕎麦っぽいクールさを醸し、これはこれで面白い。
佐伯ラーメンに明確なスタイルは存在していない、ならば新たに創っていけば良い……。ラーメン白龍が歩み始めた第一歩がそのことをいつか証明してくれるに違いない。記者はそう信じている。
撮影場所 大分県佐伯市 ラーメン白龍
取材日 平成22年5月












