先月ご紹介した鮨割烹・第三金波の鮨…今回は挑みの心に挑んだ続き、マグロの頭肉握り。
マグロの刺身は大きく分けて大トロ、中トロ、赤身と分かれ他の部位は中々流通しない。マズイからか希少なのかは分からないがとにかくその三種がアベレージ。ただ、ここでは嬉しいことにたまにマグロの頭肉が入る。
味わいはドッシリとしたコクと太い甘味が特徴で、大トロのようにサッとは消えずユッタリ、ジックリと舌に融け込む。この緩い刻の流れが“味わっている”という空間を生み、一瞬で消え去る切なさを拭っている。
もちろん、それのみで食し続けていられるほどヤワなものではないが鮨ダネにした瞬間、その問題はイッキに解決。頭肉の強さを酢飯のもつ酸味が中和しコッテリした部分を洗い流す。出逢ったときは必食されよ。

次はアジ握り。アジは五月アジと言って4月~6月くらいが一番旨い…と記者は思っている。まあ、育った環境や個体差なんかでもズレは生じるからその時季にこだわる必要はないのだが、ひと手間加えるだけで旬を外してもまったく問題ないことが分かった。
これはワサビを抜き大根おろしを薬味に使ったものだが、ピリリとした鋭角な辛苦い感じが駆け抜ける。醤油を使わずポン酢の柔らかさのみで食させるのも鮨では珍しく、ワサビの“ツン”や醤油の“ドッシリ”を取り除いてみるのもたまには良い。
最後は赤ウニ握り。この赤ウニも佐伯市鶴見の海で揚がったもので、紫ウニにくらべてマッタリしたコクがあり、トロけ具合も若干の猶予がある。
この赤ウニ握りは画像を見て分かると思うが“軍艦”ではなく“握り”なので、最初から最後までウニの大運動会状態でピュアな甘味がいつまでも続く。塩のみで食すのも“塩スイーツ”といったところで、呑兵衛なら玉子焼きよりこちらで〆ても面白い。
さて、今回はこの他にもアワビ、イワシ、アオリイカの卵の軍艦巻き、それから〆の一品でワサビ巻き(通称・涙巻き)も頂いたのだが、どの鮨からも“挑みの心”を感じ取ることができた。“江戸前”だけが鮨じゃない。ぜひ一度、鮨割烹・第三金波で“佐伯前”の鮨もつままれてみてはどうだろう。(おわり)
撮影場所 大分県佐伯市 鮨割烹・第三金波


















