“呑兵衛にとって、この時季の魚は一年で一番面白くない”とやった前回の続き。面白くないと言ったって旨いモノがない訳じゃない。ここでオヤジがこれを試せと出してくれたのがカマス……それも刺しだ。カマス刺しはこれまでに何度か食したことがあるが何となく捉えどころのない味わいで、おしながきに名を連ねていることは知っていたがスルー。“試せ”と出されたときも“今更”という思いが脳裏をよぎった、のだが……
ネットリ、シットリの身肉の滑らかさもさることながら、この雑味のない甘さはどうだ?これがあのカマス??マダイの腹身に勝るとも劣らない味わい。オヤジ曰く“旬のカマスは時季を外したマダイやヒラメより遥かに上”なのだとか。名前や薄っぺらい知識だけで判断してはならないことを改めて諭された。この時季のカマスは見逃すな。
次はキスの天ぷら。同行したノミダチによるとキスも今から良くなるとのことだったが、外ザク、中フワの食感のそのすぐ後に乾いた風味と淡白な身肉の旨さがどこまでも続く。これはビール、日本酒どちらでもハマルこと請け合い。この白身もぜひ一度、腹に入れてもらいたい。
でっ、ここからは男と男の会話……受け売りのウンチクや独りよがりの講釈など要らぬ、焼酎と少しのアテさえあれば良い。
ということで酒にアテたのは吾八名物のアジのなめろうに……
ホタルイカの沖漬け。どちらも漁師料理だが今や酒肴の代表格で焼酎5合などソッコーでスッカラカン……ってか“呑兵衛にとって、この時季の魚は一年で一番面白くない”などと言ったヤツは誰だ?探せば、学べば、そして語れば愉しみなんていくらでもあるじゃないか。(おわり)
撮影場所 大分県佐伯市 肴屋・吾八
取材日 平成22年5月












