“寒…鍋”、“サムい、ナベだろ”、“さみぃ~、なべだな”こう呪文を繰り返して夜道を歩く。寒さが日に日に増してくるとやっぱりコイツが恋しくなる。今回は極寒の夜を飾る特別なしゃぶしゃぶをご紹介しよう。
記者は牛しゃぶ、豚しゃぶを好んで食さない。“いやいや、しゃぶはアッサリで美味しいよ”そう言いたい方、しばし待たれよ。そうじゃない、言いたいことはそれじゃない。“しゃぶ”が悪いのではなく、使う相手を間違えているのではないかと言いたいのだ。
地頭鶏しゃぶしゃぶ。朝引きされた鶏肉は新鮮で生臭さは微塵もなく、刺しでも食せるツヤツヤの肉肌。よって火を通す必要はほとんどない。軽く霜を降らす程度、そう、10秒も風呂に入ってもらえば充分なのだ。
見た目は薄っすらと赤身が残る仕上がり。味わいは雑味のない甘味がまず来て、噛み締めているうちにジュンジュンと旨味も追いかけてくる仕組み。口に残る風味もウブで産卵したことのない雌の鶏だけを使用しているというのもうなずける。
だが、特筆すべきはその食感。肉厚にカットされた身肉が適度な噛み応えを生み下アゴを喜ばせる。これは腹に入れたものだけが分かる感覚で、“しゃぶは鶏だ”と記者が言い切る理由である。
また、このしゃぶしゃぶには一緒につくねも付いてくる。フックラ、ギッチリ詰まった肉質とコクのある旨味がスープと胃袋に良い出汁を醸し出す。竹包丁で団子状に切り分けるのも楽しみの一つで、彼女とイチャイチャしながらやってもらいたい。
でっ、仕上げはもちろん雑炊。タップリと染み出た鶏の出汁に飯粒をバシャりと投げ入れる。アッサリした旨味は繊細で、ピュアな鶏の風味だけが鼻腔を駆け抜ける。アツアツのところをイッキに食されよ。
さて、実は、記者は今週も呑み会があと1回…極寒の夜も手伝って、“さみぃ~、なべだな”を繰り返してしまうことはまず間違いない。あなたも“さみなべの呪文”を唱えたら、炭火・あぶり屋の地頭鶏しゃぶしゃぶを目指せ。
撮影場所 大分県佐伯市 炭火・あぶり屋

















